ISO/IEC 17025の認定取得を検討しているラボの担当者から、「どこから手をつければよいかわからない」という相談をよく受けます。規格の条文を読んでも、自分たちの現状と何がどう違うのかが見えにくいのは当然です。最初にやるべきことは、規格が求めていることと現状の差を可視化するギャップ分析です。
ギャップ分析とは何か ¶
ギャップ分析とは、ISO/IEC 17025:2017の要求事項を一つひとつ確認し、現在の自分たちの体制がそれを満たしているかどうかを評価する作業です。「満たしている」「部分的に満たしている」「満たしていない」「該当しない」の4段階で評価し、優先的に対応すべき項目を特定します。この作業を最初にやっておくことで、準備期間の見通しが立ちます。
よくつまずく文書整備のポイント ¶
多くのラボが最初に苦労するのは、測定の不確かさの見積もりと、文書管理の体系整備です。特に不確かさの評価は、日常業務の中で意識されていないことが多く、どの要因をどう評価するかの判断が難しいです。また、手順書(SOP)が存在しても、実際の作業と内容が乖離しているケースも頻繁に見られます。
内部監査の準備 ¶
ISO/IEC 17025では、定期的な内部監査の実施が求められます。内部監査員は、監査対象の業務に直接関与していない人が担当する必要があります。小規模なラボでは人員が限られるため、外部の専門家に内部監査員として関与してもらうケースもあります。監査の記録と、指摘事項への是正処置の記録を適切に残すことが重要です。
技能試験への参加計画 ¶
認定機関は、外部品質評価(技能試験または測定監査)への参加を求めます。日本では、産業技術総合研究所(AIST)や計量研究所が実施する技能試験に参加することが一般的です。参加する試験の選定は、自分たちが認定を受けたい測定分野と一致している必要があります。年1回程度の参加が求められることが多いため、スケジュールを早めに確認しておくことをお勧めします。
準備期間の現実的な見通し ¶
私たちが関与した案件では、準備開始から審査申請まで12〜18ヶ月かかっています。既存の品質管理体制がある程度整っている場合は短縮できますが、文書体系をゼロから整備する場合は18ヶ月を見ておくのが現実的です。焦って申請しても、審査で多数の不適合を指摘されると結果的に時間がかかります。
ISO/IEC 17025の認定取得支援について、まずは現状のギャップ分析から始めることができます。Lab Core Zoneへのご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。